セレブ妻バラバラ殺人事件を考える 1
事件が起きた後、テレビのワイドショーでも連日取り上げられた事件です
公判の模様が新聞社のサイトにまとめられているので、これを見ながら事件について考え、語りたいと思います
最初におことわりしておきますが、公判の記録を読めば裁判についていろいろと疑問点、不審点がわいてきます
奇妙な裁判だというのが自分の実感です。夫を殺害し、遺体をばらばらにして捨てた、という犯行事実に関しては検察と弁護側の間に争いはありません
夫を殺害するに至った事情で、ドメスティックバイオレンスを重視するかどうかで対立しており、そしていつものように責任能力が問われる展開になっています
問題は検察側の主張がドメスティックバイオレンスをほとんど無視した形であり、被告の歪んだ人格とあさはかさが犯行の原因だと決め付けているところにあります
ケンカで人を殺傷しても懲役15年くらいだったりするのですが、この事件では検察は何と懲役20年を求刑しています
確かに殺人、死体損壊、遺棄を併せるとそれくらいの量刑になるのでしょうが、それよりも検察官個人がこの事件を情状酌量の余地がない凶悪事件だ、と判断したのが一番の要因だと思います
検察官が最初から予断をもって取り調べにあたり、夫による暴力は殺人を正当化するための口実であり、被害についても誇張しされたものだと思い込んでしまい、他の話にはまったく耳を貸さなかったようです
その線で調書が作成され、起訴してしまいました。途中で起訴状の修正変更なんて面子がつぶれるのでできません
あとは裁判の中で、検察側が「被告人はうそつきであり、都合の悪いことは話さない」と糾弾し、裁判官にアピールするしかなかったのでしょう
自分の言い分をまったく聞こうとせず一方的に断罪する検事の姿は、暴力をふるう夫と同じように被告人の目には映ったに違いまりません
しかし、裁判制度や司法手続きを論評するのがこのブログの目的ではありませんので、そちらの話は置いておきます
何度かに分けて書きますが、ドメスティックバイオレンス(DV)を中心に事件を語るつもりです
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