土浦8人殺傷事件被告はなぜ法廷で失神したか

法廷で失神したニュースに関しては前に書きました
あらためて金川真大被告がなぜ失神したのか、考えてみます
法廷に用意されたスクリーンに被害者の生々しい傷痕の映像が映し出されたのが直接のきっかけのようです
ここで疑問が湧くのは、金川被告はなぜ失神するほどショックを受けたか、です
警察で取り調べを受けているとき、警察官は被疑者に傷痕の写真や遺体の写真をこれでもか、というほど繰り返し見せているはずです
被疑者から供述を引き出すテクニックとして精神的にプレッシャーをかけ、追い込むために
ですから、法廷で見せられた傷痕の映像は何度も見ているはずで、おどろくほどのものだったとは考えにくいのです
推論すれば、取り調べ段階で傷痕や遺体の写真を目の前に繰り返し突きつけられたものの、決して見ようとはしなかったのでしょう
「見たら自分が傷ついてしまうようで怖かったから」ではないかと
法廷で被害者の傷痕の映像をみたとき、初めて事件と向き合ったのかもしれません
ニーチェは「深淵をのぞくものは心せよ。深淵もまたこちらを見ているから」と言いました。解釈すれば、「心の闇をのぞこうとする者は、心の闇からものぞかれる結果となる」という意味でしょうか
他人の心の闇を探るうちに、自分の方が心の闇に魅入られ取り込まれてしまう
金川被告は事件から目をそむけ、直視しようとせず、「死刑になればいい」と虚勢を張り続けていたのだと思います
そして法廷で見た被害者の傷痕に「自分の心の闇」を見たのかもしれません。その「心の闇の深さ」やおそましさにおどろき、失神したと。
こうした推論は検証する術のない仮設であり、真実だと言い張るつもりはありません
ただ、何かを理解するには仮説を立て、吟味し、検討しないことには進まないのです
ですから、見当外れになるのも承知の上で、さまざまな仮説を立て考察に取り組むわけです
紹介するのは日本の精神鑑定の第一人者である福島章の、一般人向けに書かれた解説書です

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