長崎男児殺害事件(2003年)を考える 1

2003年に長崎市で当時4歳の男児が殺害され、中学1年生の男子生徒が逮捕された事件を取り上げます
話が長くなるので、数回に分けてアップします
事件当時、いつものように「何ら問題ない非行歴もない少年がある日突然、凶悪な犯罪を起こした」かのような報道がありましたが、男子生徒は広汎性発達障害とされ、過去にもパニックを起こして教室から飛び出すなど異常な行動がいくつも確認されていました
つまりメディアが好んで使う「普通の少年」ではなかったわけです
過去になんらかの奇矯な行動があってとしてもそれを無視して、「普通の少年」に仕立てようとするのはどうしてでしょうか?
ただ、広汎性発達障害だからといって凶悪な事件を起こすわけではありませんので書き添えておきます
事件の概要
「ゲームセンターへ遊びに行く」と言い残して家を出た4歳の男児が帰宅しないため、家族が探して回りました。そして立体駐車場脇に倒れ死亡しているのが発見されました。立体駐車場の上から落ちて頭部を打撲していただけでなく、ペニスが切り取られていました
犯人として長崎市内に住む中学1年の男子生徒が逮捕されました。犯行当時12歳であったため少年院送致にはならず、児童自立支援施設へ送致されました
何が問題か
4歳の男児のペニスを切り取り、立体駐車場の上から突き落として殺害するという行為が「異常」なものとして、当時は大騒ぎになりました
有識者、ジャーナリストが動員され、各種のコメントが新聞紙面を飾ったのです
が、各人が勝手な話をしているだけで読者はますます混乱したのではないでしょうか
自分がいつも例に挙げるジャーナリスト吉岡忍は雑誌「月刊創」で以下のように語っています
「あの12歳少年が4歳の男の子に対してやったことは,広い意味では性的犯罪でしょう。けれども,これをただちに成人のわいせつ事件などと混同してはいけない」
「人間にとっての性は自己の身体にひそむ別側面の発見や,他者存在の発見と受容,あるいは違和や支配という問題ともつながっている」
「ただ問題は,このときに,なぜサディスティックに,攻撃的になるのか,ということです。あの子もはさみを使ったと言われているし,酒鬼薔薇事件はかの青少年たちの犯状もきわめて攻撃的です。…この自分が他者に関与し,自己と社会をつなげていくときに,攻撃的でなければやっていけないのだというメッセージを,きっと彼らはどこかから受け取っている」
相変わらず吉岡節全開ですね。まったく意味不明で的外れな力説です
次回はこの少年の犯行の背景について、自分の仮説を書きます

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