2004年カンヌ 映画「イノセンス」の話

2004年のカンヌ映画祭に押井守監督の映画「イノセンス」が参加しました
アニメーション作品がカンヌ映画祭のコンペに参加すること自体珍しいのですが、残念ながらアニメーションに対する偏見をもろに浴びてしまい、受賞はなりませんでした
審査委員長は押井ファンとして有名なタランティーノでしたが、他の審査員(女優)2名が「人間が演技をしていないアニメーションに賞を与えるのはおかしい」と猛反対したそうです
いまさらながらその女優さん2名の見解に疑問が湧きます
アニメーション作品のファンでなくても、吹き替えをする声優さんの見事な芝居に感服した経験はあると思います
また、画面に描かれた人あるいは物(「イノセンス」の場合は人形ですが)に演技をさせるという大変に高度なテクニックを用いています
人間が演技していないから評価できない、とは「演技もまともにできない大根役者の嫉妬か」などと勘繰りたくもなりますが(暴言です)
一回の試写を見て作品を審査するというシステムは映画祭の仕組みとして仕方のないところですが、「イノセンス」のような作品は理解するのが難しく、審査員もいったいどんな物語なのか困惑したまま試写が終わってしまうのでしょう
「商業作品なのだから、一回見て客に理解できるものを作るべきだ」という意見あります。一方、何度でも繰り返し鑑賞にたえる作品を求める視聴者の要求もあります。すべてがハリウッド式の演出、単純な勧善懲悪ストーリーである必要はないはずです
難解と言われてしまいがちですが、繰り返し鑑賞して味わう楽しみを与えてくれる映画だと自分は思っています。ちなみに自分は映画館で5回観ました
映画「イノセンス」については以下のような批評もあります

自分の作品評は後日、書きます

映画_イノセンス(INNOCENCE)



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