暴力夫に尽くす妻 共依存

大阪市西淀川区の市立佃西小4年生が死亡した事件の報道を見て、「なぜこんな暴力男と一緒に暮らしていたのか」と思われる方も多いのではないでしょうか?
内縁の夫とされる人物がどのような人間なのか、詳しい情報はありません。死亡した児童の母親もどのような人間であったのか、家族の関係の実態もこれから解明されるところなので、勝手な推測はせずに待ちたいと思います
一般的な例としては、「暴力を振るう夫と、その夫に懸命に尽くす妻」というものがあります
この関係を「共依存」と呼ぶ考え方があります
アルコール依存やギャンブル依存、薬物依存の、端から見ればどうしようもない男の側にいて懸命に支えようとする妻
日本の伝統的な価値観からすれば「妻は夫に尽くす」ものです
その意味では、こうした妻たちは立派であり、模範とされる存在です
だが、本当にそうなのでしょうか。「わたしがいないとこの人(夫)は駄目になってしまうから」と、殴られても蹴り倒されても夫の世話に明け暮れる。駄目な暴力夫という存在にどっぷりと依存してしまい、夫から離れては生活していけない状態を「共依存」だと考えます
男の側からすれば、「この女、オレにとことん惚れやがったな」とニンマリするわけですが、「別にアンタに惚れているわけじゃない」と指摘すべき状態です
「共依存」の妻は夫にどっぷり惚れているのではなく、依存すべき対象に惹かれ離れられなくなっているのです
その代表的な行動パターンは以下のようなものが挙げられます
お節介なまでに他人を助けたり世話したりする
自分が他人にとって必要になっていることに過剰な期待を抱く。目先の愛情にとらわれて他人の世話をするが、大きな目で見ると他人や自分を破滅に導いていることに気がつかない(例・不良息子や飲んだくれ亭主に必死に働いてお金をみつぐ)
依存心が強く、一人で生活するのが不安
自己評価が低く、自分自身が好きではない。一人で過ごしているとひどい虚無感に襲われて、自分を必要としてくれる人をもとめ、「見捨てられる危機感」を振り切れない。見捨てられるのが怖いので相手の言いなりになりやすい
考え方、視野がせまく人生経験も乏しい
特定の人物との関係で頭がいっぱいで、友人からも離れ、小さく狭い世界で生活する。
このため自分と自分の周囲の狭い範囲の人達が、どんな悲惨な状況なのか、世間一般の基準から逸脱しているのか気がつかない

ほかにもいくつかありますが、省略します
「共依存」の問題が厄介なのは、それがしばしば愛情ということばでごまかされてしまうところです
家庭内暴力では母親がその攻撃対象になるケースが多いのですが、こどもへの愛情ゆえに暴力を甘受し、「暴力を振るう息子とそれに耐えながらも懸命に世話をする母」という図式に陥ってしまいます
「共依存」とされる妻・母は自分の行動が病理だとはなかなか認めないのです
本人の自覚がないゆえに対処するのは難しい問題です

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