男女間に友情は成立するか

「男女間に友情は成立すると思いますか。イエスかノーで答えてください」

こんな問いに出くわしたりする機会があります

しかし、この問いは基本的に間違っています

イエスの回答が60%だったとして、それは何を意味しているのでしょうか

イエスとノーの割合がどうであれ、何も指し示してはいないのです

賛成か反対か、イエスかノーかを問えば何かが明らかになる、というのは単なる思い込

みです。このような無意味な意識調査、無駄なアンケートがいたるところにあります

本来ならば、「男女の間に友情が成立するためには何が必要か、あるいはどうするべき

か」と問う必要があるのです

または、「男女の間に友情が成立しない原因は何が考えられるのか、妨げる理由となる

ものは何か」と問わなければなりません

こうした質問をすると回答が多岐にわたり、集計するのが困難になります。イエスかノー

で回答させた方が統計処理するのは簡単です

統計処理上の問題はともかくとして、知りたいのはイエスかノーかではなく、「男女間に友

情が成立するなら、どのような条件・状況で可能なのか」であるはずです

くどい書き方になりますが、イエスかノーという選択肢の中には知りたい答えが最初から

ないのです

男女の間で友情を成立させるには互いが相手を尊重し、距離を保ち、決して一定の線を

踏み込まないよう努めなければなりません。踏み越えようとした瞬間、友情は別のものに

変貌してしまいます

別の言い方をすれば、最初から友情と愛情の違いなど存在しないと考えられます

ただ人間が勝手に理屈を設け、友情と愛情を区別する必要があるかのような「決まり」

を作り出しているのだ、と

そうした勝手な理屈による数々の「決まりごと」が社会を形成しているわけです

ですから友情というものを成立させ、維持するにはお互いが「決まりごと」を守るしかな

いのです

ならば男女の間に友情を成立させるのは困難なのでしょうか?

それがさほどむずかしくはないのだと最近、気がつきました

何人かの友人(その中には女性も含まれます)とメールのやりとりをしているのですが、

結構長い期間、友情として成立し続けています

これはメールのやりとりだけが交流手段であり、直接会う機会がないためです

逢わないという前提(互いに距離が遠いといだけなのですが)と、互いの気持ちを伝達

する手段がメールだけという条件下でなら男女の間に友情は成立するのだと思います

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