ポジティブシンキングが駄目な理由
自己啓発書の世界では相変わらずポジティブシンキングが流行のようです
たとえば以下のようなウェッブサイトもあります
http://www.positiveken.com/index.html
先日は「妬みも怒りも人には必要だ」と書きました。その延長で、ポジティブ
シンキングが駄目な理由を書きます
自己啓発書を書いている人の多くは、「何でもポジティブに考え行動しよう。
ネガティブシンキングは駄目」だと主張します
しかし、人間の思考や行動をポジティブなものとネガティブなものに二分す
る方法は根本的に間違っています
人間の思考や行動は本来、ポジティブなものでもなければネガティブなも
のでもありません
これを無理やりポジティブとネガティブに分けるのは無理があるからです
同様に人を「勝ち組」と「負け組」に分け、「勝ち組になるにはどうすればよ
いか」などと話すのも無理があります
正規分布というものをご存知でしょうか。山の形をしているグラフです
世の中の人は「勝ち組」でもなく「負け組」でもなく、中央付近(標準的な位
置)にいる人が一番多いのです
それを無理に「勝ち組」だ、「負け組」だと色分けするのは無謀なやり方で
す。それほど明確に勝ち負けの線引きは可能でしょうか?
「中流」と呼ばれる層が世の中の大多数を占めている日本で、いったいど
こを基準に「勝ち組」と「負け組」に分けるのでしょうか?
話を戻します
人間の思考、たとえば「今日の夜は何を食べようか」という内容はポジティ
ブシンキングでもなければネガティブシンキングでもありません
与えられた仕事にどう取り組むか、その段取りや計画を立てるものポジテ
ィブシンキングではありませんし、ネガティブシンキングでもありません
仕事を進める上でさまざまなリスクを計算し、対策を講じるのもポジティブ
シンキングではありませんし、ネガティブシンキングでもありません
本来ネガティブでもポジティブでもない行動を無理やり色分けし、特定の行
動だけを優良なものだと断定するのはとてつもなく不自然な行為です
(ポジティブシンキングは作為のなせる技ですから)
前回も書いたように人はさまざまな事象に対し妬んだり怒りを感じたり、不
安を感じたりします。それをネガティブなものだと否定し、押し殺し、抑圧し
てどうなるのでしょうか
通常ならば反動として不眠や食欲不振、集中力の欠如やイライラといった
症状が生じます
ときには胃潰瘍、円形脱毛症といった症状も発生します
人生の成功の秘訣とされるポジティブシンキングを推し進めた結果がこれ
でよいのでしょうか
補足しておくと、「賛成か」あるいは「反対か」を問う単純な議論のモデルを
二元論と呼びます
二元論思考は日常生活の中でもよく用いられるのですが、これは単純であ
るがゆえに限界や弊害もあるモデルです
日常生活においても「妥当な選択」は、「賛成」でもなく「反対」でもなく、「第
三の選択」であったり「第四の選択」であったりするわけです。つまり二次元
的な思考ではなく、いくつもの選択肢を想定した多元論的な思考が必要に
なってきます
「春休みにディズニーランドに行く」との計画を立て、家族に賛成か反対か
をうかがったところで異論が続出するでしょう
だから家族のさまざまな好みや要望を考慮し、「ディズニーランドへ行き、
帰りは秋葉原で買い物をして箱根の温泉に泊まる」といった多元的な嗜好
を満たす計画を提示しなければならないのです
ポジティブシンキングは自己肯定に走りやすく、自分の意見を押し通そうと
するあまり周囲との対立や軋轢を生む懸念もあります
その対立の原因が自らの独善的な行動にあるとは考えないところに、ポジ
ティブシンキングの限界があるのです
(関連記事)
妬みも、怒りも、愚痴も必要
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/200904article_11.html
インターネットは匿名か、実名か 噛み合わない議論
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/200912article_18.html
激論 勝間和代vs西村ひろゆき
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201005article_8.html
勝間VSひろゆき論争 その後
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201005article_12.html
勝間和代 論理的思考を育てる教育を求める
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201002article_31.html
「児童相談所の権限を強化せよ」と説く勝間和代
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201008article_42.html
勝間和代 会計士廃業
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201102article_44.html
たとえば以下のようなウェッブサイトもあります
http://www.positiveken.com/index.html
先日は「妬みも怒りも人には必要だ」と書きました。その延長で、ポジティブ
シンキングが駄目な理由を書きます
自己啓発書を書いている人の多くは、「何でもポジティブに考え行動しよう。
ネガティブシンキングは駄目」だと主張します
しかし、人間の思考や行動をポジティブなものとネガティブなものに二分す
る方法は根本的に間違っています
人間の思考や行動は本来、ポジティブなものでもなければネガティブなも
のでもありません
これを無理やりポジティブとネガティブに分けるのは無理があるからです
同様に人を「勝ち組」と「負け組」に分け、「勝ち組になるにはどうすればよ
いか」などと話すのも無理があります
正規分布というものをご存知でしょうか。山の形をしているグラフです
世の中の人は「勝ち組」でもなく「負け組」でもなく、中央付近(標準的な位
置)にいる人が一番多いのです
それを無理に「勝ち組」だ、「負け組」だと色分けするのは無謀なやり方で
す。それほど明確に勝ち負けの線引きは可能でしょうか?
「中流」と呼ばれる層が世の中の大多数を占めている日本で、いったいど
こを基準に「勝ち組」と「負け組」に分けるのでしょうか?
話を戻します
人間の思考、たとえば「今日の夜は何を食べようか」という内容はポジティ
ブシンキングでもなければネガティブシンキングでもありません
与えられた仕事にどう取り組むか、その段取りや計画を立てるものポジテ
ィブシンキングではありませんし、ネガティブシンキングでもありません
仕事を進める上でさまざまなリスクを計算し、対策を講じるのもポジティブ
シンキングではありませんし、ネガティブシンキングでもありません
本来ネガティブでもポジティブでもない行動を無理やり色分けし、特定の行
動だけを優良なものだと断定するのはとてつもなく不自然な行為です
(ポジティブシンキングは作為のなせる技ですから)
前回も書いたように人はさまざまな事象に対し妬んだり怒りを感じたり、不
安を感じたりします。それをネガティブなものだと否定し、押し殺し、抑圧し
てどうなるのでしょうか
通常ならば反動として不眠や食欲不振、集中力の欠如やイライラといった
症状が生じます
ときには胃潰瘍、円形脱毛症といった症状も発生します
人生の成功の秘訣とされるポジティブシンキングを推し進めた結果がこれ
でよいのでしょうか
補足しておくと、「賛成か」あるいは「反対か」を問う単純な議論のモデルを
二元論と呼びます
二元論思考は日常生活の中でもよく用いられるのですが、これは単純であ
るがゆえに限界や弊害もあるモデルです
日常生活においても「妥当な選択」は、「賛成」でもなく「反対」でもなく、「第
三の選択」であったり「第四の選択」であったりするわけです。つまり二次元
的な思考ではなく、いくつもの選択肢を想定した多元論的な思考が必要に
なってきます
「春休みにディズニーランドに行く」との計画を立て、家族に賛成か反対か
をうかがったところで異論が続出するでしょう
だから家族のさまざまな好みや要望を考慮し、「ディズニーランドへ行き、
帰りは秋葉原で買い物をして箱根の温泉に泊まる」といった多元的な嗜好
を満たす計画を提示しなければならないのです
ポジティブシンキングは自己肯定に走りやすく、自分の意見を押し通そうと
するあまり周囲との対立や軋轢を生む懸念もあります
その対立の原因が自らの独善的な行動にあるとは考えないところに、ポジ
ティブシンキングの限界があるのです
(関連記事)
妬みも、怒りも、愚痴も必要
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/200904article_11.html
インターネットは匿名か、実名か 噛み合わない議論
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/200912article_18.html
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https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201005article_8.html
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勝間和代 論理的思考を育てる教育を求める
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201002article_31.html
「児童相談所の権限を強化せよ」と説く勝間和代
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201008article_42.html
勝間和代 会計士廃業
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201102article_44.html